金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋 を見た
「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋 ~行商編~」
を見てきた。宮崎アートセンターで。
以前から観たいと思っていた作家の作品展。水の中に金魚がいる。生きたような、そのままの水のような。
この人の金魚関連の作品作成の軌跡が示されていた。
あくまでも主観にもとづいた感想なのだけど、
この人はこの作品を作りたいわけではないのだろうな、と感じた。
技術水準があがっていくのは、時間を追ってみているからこそよくわかるし、
本人が書いていたように、ある日突然、この表現方法を思いついた
というか、浮かんできた?うろ覚えです。というのは本音だろうし、もちろん、そこに至るまでに、随分沢山の試行錯誤もしただろうし、いろんな模索もしていたのだろう。
その片鱗は会場のあちこちにあった。『自画像』だったか、胸像の中に、肺をもした透明な入れ物をおき、その中にタバコの吸い殻がつまっているもの。
あるいは、『さんま』だったか、骨だけになったさんまを樹脂の中に入れたもの、こういうものが、この人が模索していた世界なんだろう。
で、それでは世に出られなかった。壁にぶつかり模索し、呻吟し苦しんでいたときに、出会ったのがあの樹脂の中の金魚達なのだろう。
そのこと自体は良いのだが、時代が進むにつれての、この人の作品の方向性がよく分からなくなってくる。苦労しているんだろうな、苦悩しているんだろうな、というのは良く伝わるのだが、なんというのか、マンネリにおちこんでいるのだろうな、という感が強くした。
しかしながら、作品そのものは面白いし、これからも見てみたい。
だからこそ、この壁を打破していただきたい、と強く感じた。